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清緑園、12歳になった

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 清緑園が、12歳になった。
 人で言えば、ちょうど一回り。12年という時間を、ひとつの円のように感じている。
 ぐるっと一周して、また同じ場所に立っているような感覚。
 でも、見えている景色は、あの頃とは少し違う。

 つい最近、ひとつのレビューをいただいた。楽天市場で購入してくださった方からのものだった。

 「初めて購入させて頂きました。先ず箱を開けると、手書きで書かれたこちらの名前。そして心のこもった紹介文。水餃子を作られた経緯や店主様の思い…。それから丁寧に小分けされた手間(お金)をかけたパッケージ…。食すまでに心が伝わってきました。
 丁寧に書かれた作り方に習い、水餃子を頂きましたが、絶品でした。何故今まで知らなかったのか落胆しましたが、今回知り得、頂く事ができた事に感謝感謝です。お店と通販でどれだけご多忙かと思うのに、これだけの手間と美味しさに感動しております。
 一人暮らしの為、小分けにされてあったのがとても有り難かったです。本当に美味しい物を頂けて幸せです。絶品の水餃子をありがとうございました。また無くなったら頼みたいと思います。」

 このレビューを、何度も読み返した。とても嬉しかった。
 それ以上に、少し驚いた。自分は、そこまで意識していたのだろうか、と。
  これまで自分は、「飲食店をやっている」という感覚でここまで来た。美味しいものを作る。お客さんに来てもらう。また来てもらう。その繰り返しの中で、店を続けてきた。

 でも、このレビューを読んだとき、ふと気づかされた。お客さんは、餃子だけを受け取っているわけではない。箱を開けた瞬間から、言葉や想い、手間や工夫——そういった“すべて”を含めて、受け取っている。それはもう、単なる「料理」ではなくて、ひとつの“体験”になっている。そして、その体験を届けている時点で、それはもう「店」ではなく、「ブランド」なのだと思った。

 12年前、そんなことは考えていなかった。ただ必死に店を回していた。ブランドなんて言葉は、どこか遠い話だった。でも今、同じ場所に立ちながら、少し違う景色が見えている。自分たちは、何を届けているのか。この餃子で、どんな気持ちを届けたいのか。その問いを、ようやく自分の言葉で考え始めている。

 「原点に戻る」という言葉がある。けれど今の自分にとっての原点は、ただ過去に戻る場所ではない。

   一周して、もう一度立つ場所。そして、意味を問い直す場所だ。
なぜ、この店を始めたのか。
なぜ、水餃子なのか。
誰に、何を届けたいのか。
12年経った今、その問いに、もう一度向き合っている。
清緑園は、12歳になった。
ここからは、ただ店を続けるのではなく、“ブランドとしてどう在るか”を選び直していく時間になる。

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