中国のお正月は伝統的に、旧正月になっています。今年の旧正月は、2月10日です。この日を中国では春節と呼んでいます。春節になると中国国内で大移動が始まります。多くの人が故郷を目指して帰り、実家に集まった親戚・縁者や近隣の人々と飲んで、食べて談笑して大いに盛り上がります。
春節まであと三週間。最近、中国の友人たちとの会話の中で「回老家」（実家に戻るという意味）という言葉が頻繁に出てきます。この話題になると、「回老家」を計画している友人たちは嬉しそうにしており、私もそれを聞いて羨ましくなります。今の私にとって、春節に「回老家」することはなかなか実現できない夢なのです。
「回老家」は故郷への地理的な移動だけではなく、心の帰郷でもあります。日本のお盆の帰省ラッシュと似ています。中国の春節は家族が一堂に会し、一年の間に離ればなれになった親族が再び集まる特別な時期です。現代社会では、仕事や他の理由で帰省できない人も多く、私もその一人です。
来日して22年、記憶の中ではたった２回しか春節に帰郷して家族と過ごしていません。今はビデオ通話が便利になり、毎日話ができますが、やはり実際に会うことは、何事にも代えられない貴重な空間と時間なのです。
来週から1月末にかけて、私は仕事で上海へ出張します。これを聞いた母が「せっかく上海に戻るのだから、実家に帰ってきて春節まで一緒に過ごそう」と言います。しかし春節の大移動でチケットを取れず、身動き取れないリスクを考えると、帰省を諦めるしかありません。
次週日本におらず、1月28日のコラムも小休止になります。上海から戻った後、中国の様子や見聞を皆さんに報告したいと思います。
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