今年も連日の猛暑。
「今日は暑いですね。」
そんな言葉が毎日のあいさつになっている。
暑さが続くこの季節になると、私は子どもの頃の夏を思い出す。
夏休みは、ほとんどお婆ちゃんの家で過ごした。
今のように冷蔵庫が当たり前ではなかった頃、お婆ちゃんは冷たい井戸水を利用して、トマトやスイカ、香瓜(まくわうり)を冷やしていた。
夕方、外で遊んで帰ってくると、お婆ちゃんは井戸水から取り出したトマトを食べやすい大きさに切り、その上から砂糖をぱらぱらとかけてくれる。日本では少し珍しい食べ方かもしれない。ひんやり冷えたトマトを頬張り、最後に器に残った甘いトマトの果汁を一気に飲み干す。あの美味しさは、今でも忘れることができない。
夕暮れになると、家族みんなでベランダに座る。お婆ちゃんは乾燥させたヨモギを焚き、立ちのぼる煙で蚊を追い払う。私たちはコオロギの声を聞きながら、冷えたスイカや香瓜を夢中で頬張っていた。
そして、夏になると、お婆ちゃんが必ず作ってくれたものがもう一つある。それが、緑豆のおかゆだ。
今でも不思議に思う。あのちょうどいいとろみと、ほんのり優しい甘さを、お婆ちゃんはどうやって作っていたのだろう。体をやさしく冷やし、暑さで疲れた体にすっと染み渡る緑豆のおかゆは、我が家の夏には欠かせない家庭の味だった。
特別に高価なものではない。豪華な料理でもない。
けれど、不思議なことに、何十年たった今でも、その味だけは鮮明に覚えている。
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