たまたまかもしれないが、このコラムの投稿日が父の日と重なった。
私にとって父のいない、4回目の父の日。
我が娘にとって父のいる、17回目の父の日。
4月末、一度だけ父が夢に出てきた。具体的な内容はまったく記憶にないが、父が夢に出てきたことだけは覚えている。
私は毎月15日、花束を持って父のいるお寺へ会いに行っている。しかし4月だけは仕事が忙しく、15日に行くことができなかった。そのせいだったのか、父のほうから会いに来てくれた。夢の中で再会できたことは嬉しかったが、忙しさを言い訳に会いに行けなかったことを申し訳なく思った。
思えば、私が17歳、18歳の頃、父はよく会いに来てくれた。当時、私は寄宿制の高校に通っていた。勉強が忙しく、週末も帰れない時期があった。日曜日になると、父は着替えの服と私の好きな食べ物を持って来てくれ、二人で学校近くのレストランで食事をした。
「勉強はどうだ?」
「ちゃんと食べているか?」
「ちゃんと寝ているか?」
毎回、父は同じような質問をし、会話は終わった。
それでも私は、口には出さなかったが、毎週父が来てくれるのをとても楽しみにしていた。
やがて娘も高校生になり、勉強で忙しくなった。お互いに仕事と勉強に追われ、ゆっくり会話をする機会は少なくなった。私は娘の学校生活や友人関係について知りたいし、自分が同じ年頃だった頃の話もしてみたいと思っている。しかし実際に口から出るのは、
「好きな男の子はいるのか?」
「友達とどんなところへ遊びに行っているのか?」
といった質問ではなく、
「ちゃんと塾に行っているのか?」
「ちゃんと勉強しているのか?」
という言葉ばかりになってしまう。
もしかすると、あの頃の父も、本当に話したかったことと、実際に口にしていたことは違っていたのかもしれない。
父になった今、私はそう思う。
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