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「大阪お婆ちゃん」の愛情表現

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   先日大阪に出張したとき、偶然、仕事の仲間が予約してくれたのが、中之島に近いホテルでした。私は2010年にユニ・チャームに入社し、大阪で半年間の営業研修をしたことがありました。当時住んでいたのが天満橋にあるマンスリーマンションで、大阪支店の事務所はこの中之島にありました。天満橋から中之島の会社まで同期たちと一緒に毎日、徒歩で通勤し一緒に帰っていました。

   ホテルの周辺の景色をみているうち、往時の出来事が次々と思い出され、ホテルを飛び出して懐かい街を歩き始めました。

   中之島の会社の近くに、朝日新聞社ビルがあり、地下にお婆ちゃんが一人でやっている店がありました。朝日新聞社ビルはオフィスビルに変身しており、あのお婆ちゃんの店もなくなりましたが、ビルの周辺を歩きながら当時のことを思い出していました。

大阪を離れる前に、同期と一緒にお婆ちゃんのお店にて

  退社したある日のことでした。お腹を満たすために近場にある朝日新聞社ビルの地下に行くと、最初に目に入ったのがお婆ちゃんの店でした。誰もいなかった店に入ると、お婆ちゃんはテレビの前を離れ私を席に案内してくれました。

  私が注文したのは750円の定食でした、どんな料理か忘れましたが、お婆ちゃんが「定食のほかに、ここにある小鉢料理を何でも食べていいよ、若いから、魚を食べなさい」と言ったのを今も覚えています。それ以降、行けが必ずお婆ちゃんが作った煮魚や野菜の煮物などを自由に食べさせてくれました。

   あとでお婆ちゃんから話を聞く機会がありました。私が最初にこの店に入ったとき、元気がなさそうに見えたのです。若い人だから、いっぱい食べて元気を出してほしいという思いから、私に750円の定食の他に、小鉢料理を自由に食べていいとの特権を与えてくれたのです。お婆ちゃんのこの“愛情”を味わいたくて、あの日からほぼ毎日お婆ちゃんの店に顔を出し、食事をして、お婆ちゃんと話をして帰っていました。あれから14年も経ちました。しかし私の心に沁み込んだお婆ちゃんの愛情は、色あせることなく私の心に蘇ってきたのです。

   清緑園でも、日々お客様に同じような優しさを感じてもらえるよう、心を込めて料理を提供しています。いつか、あのお婆ちゃんに恩返しできる日が来るといいなと思いながら、今日もまた清緑園でお客様をお迎えしています。

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