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最高のメニューの定義とは? その一

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   私たちは飲食店に行くと、メニューを見て何を食べるか?いくら使うか?を判断します。一方、飲食店側は、どうすればお客様に足を運んでもらえるのか、そしてお客様に喜んで頂きながら少しでも多くの対価をいただくにはどうすれば良いのか?を必死に考えます。これを行うには「魅力的なメニューを揃えること」が最も重要です。メニューはキャッシューを生みます。お店のコンセプトを決めた後は、脳細胞をフル回転させながらメニュー構成と中身を検討する必要があります。

   私は以前まで飲食業の素人でしたので、当時いろんな本を読んで勉強しました。一方、実は最終的に参考したのはマクドナルドのメニューでした。

    私がまだ清緑園のメニュー作りに頭を悩ませていたある日、気分転換にマクドナルドに大好きなテリヤキマックバーガーを食べに行きました。普段は何気なくぼ〜と過ごす、オーダー待ちの時間ですが、その時はメニュー作りのことで脳みそがフル回転していたので、マックのメニューを見ながら、突然、私の頭の中でいろんなピースがはまっていくのがわかりました。シンプルでわかりやすく、同じ素材の組み替えで自由に多様性を実現でき、そしてサイドメニューが手軽の値段で一品追加しても痛くないメニュー、まさに私が求めていたものを実現していたのがマクドナルドだったのです。

    魅力的なメニューというのは、当然、お客様に求められるものでなければなりません。これに1ミリの疑いもないでしょう。一方で、本当に魅力的なメニューというのは、お店側にとっても運用しやすいものでなければなりません。お客様とお店側の利点を考慮したメニューを最高のメニューと定義するなら、マクドナルドのメニューはまさに最高のメニューと呼んでも良いでしょう。

    今回、自分の実体験からなぜ、このように感じたのかを説明したいと思います。

    私は2002年10月に留学のために来日しました。運よく、11月に溜池山王のマクドナルド(既になくなっています)でアルバイトを始めることができました。実はこれが、私にとって初めての仕事体験でした。何もかもが初めてだったのでモチベーションは相当高かったですが、特に制服を手にした瞬間の興奮は今でもクリアに覚えています。

マクドナルド 溜池山王店(既に閉店)

マクドナルドでアルバイトしていた筆者

 しかし、日本に来たばかりでしたので、日本語は多少わかるものの、それほど聞き取れず、といったレベル感でした。コミュニケーションの問題で最初のトレーニングでは相当苦労しました。ケチャップ、マスダード、ピクルス、オニオン、チーズ、……、材料の名前を覚えるのがとにかく困難で大変でした。当時、一人の高校生が私を教えてくれていました。すぐに材料の名前を覚えられなかったので、一ついい方法を見つけました。材料の色で製作工程を覚えました。例えば、ハンバーガーの場合、赤→黄→白→緑→黒→パンを挟んで完成、材料の名前で説明すると、ケチャップ→マスタード→オニオン→ピクルス→ミードパティ→パンを挟んで完成です。調理時間は機械によってコントロールされ、無駄のない動きや動線、超シンプル的な製造工程なので、高校生や私みたいな日本語がわからない人でもちょっと練習すればすぐできるようになりました。

 これはマクドナルドメニューの素晴らしさの一つです。まさに、シンプルかつ標準化された製造工程で誰でもそのメニューを完成させられることがマクドナルドの競争優位性に貢献していたのです。

 マクドナルドメニューの素晴らしさの二つ目はその構成と自由自在に中身を変更させられることです。

 マクドナルドのメニュー構成は、時間帯別で朝マック、レギュラーマック、夜マックがあります。また、単品メニュー、セットメニュー、自由に選べられるサイドメニュー、期間限定メニュー、季節メニューがあります。このメニュー構成を見てわかると思いますが、お客様にお得感を感じさせ、原価率の高いセットメニューなどで集客し、利益率の高い単品メニューやサイドメニューで稼ぎ、しかもお客様を飽きないようにしていますので、このメニュー構成をうまく使えば、メニューで集客・キャッシューを生むことができると考えました。

 さて、メニューの中身も見てみます。私の大好きなテリヤキマックバーガーの商品シリーズ画像を見て、皆さんは何かを気づきますか?

  

 そうなんです!定番のテリヤキハンバーガーに、パンの変更、テリヤキパティー枚数の変更もしくはチキンカツへの変更、玉子やチーズの追加だけで、さまざまな商品が出来ます。

 これによって原材料の在庫は増えませんが、商品品種は増えました。ここにマジックが隠されてたのですね。

 何という素晴らしいメニューでしょうか!

 今回のブログで気になった方は、次回マクドナルドに行かれる際、メニューをしっかり確認して見てください。その凄さがわかると思いますよ。

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