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見えないつながり

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   今日は、父の日。

 

 母の日のときに、娘の学校では「手作りのサービス券を作ってお母さんにプレゼントしよう」という企画があった。娘が数枚のマッサージサービス券を作り、母にプレゼントしていた。有効期限は驚くほど短く設定されていて、おそらく使われる前に失効してしまったのではないかと思う。

 

 今度は私の番だが、娘からのプレゼントを特に期待していないものの、やはり何か貰ったら嬉しい。もしまたマッサージサービス券をもらったら、すぐに使おうと心に決めている。

 

 そして今日は、父の三回忌でもある。

 

 母が日本に滞在している間に、神楽坂のお寺で三回忌の法要を行った。帰りの車中、父の話になり、「夢でも会いたいな、ただ、全然夢に出てこないんだよね」と私が言うと、母はこう答えた。

 

 「それはね、お父さんがあの世で幸せに暮らしている証拠だよ。だから、心配しなくてもいいの」

 

 母の言葉に、私は納得している。

 

 これまで、生と死について深く考えたことはなかったけれど、生きている世界と、亡くなった人が行く世界、それぞれ存在していると思っている。そしてこの二つの世界は、目には見えなくても、どこかでつながっているとも感じている。

 

 中国には「生死有界,心无殊途」という言葉がある。


「生きている者と亡くなった者は、身体としては別の世界にいても、その心は同じ道を歩いており、つながっている」と言う意味で、まさに私が思う「生と死の世界」そのものを言い表している。

 

 娘がまだ小さかった頃、こんなことを話してくれたのを思い出した。

 

 「どうしてパパとママのところに来たの?」と私が聞いたら、「私は空を飛んでいて、パパとママになってくれる人を探していたの。そうしたら、あなたたちが良さそうだったから降りてきたんだ」と娘が答えた。同じような話を、友人の子供もしていたと聞いて、不思議な気持ちになった。やっぱり“見えない世界”というのは、本当に存在しているかもしれない。

 

 さて、今日は父の日。

 

 もし娘からマッサージサービス券をもらったら、私は迷わずすぐに使うだろう。その様子を、あの世にいる父がきっと微笑んで見ているに違いない。

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