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二胡のmemory

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 中国の民族楽器である二胡(にこ)をご存じでしょうか。これは、中国の伝統的な弦楽器で、2本の弦の間に挟んだ弓で演奏します。その独特な音色と情感豊かな音楽表現は、多くの人を魅了します。西洋楽器にはバイオリンがあり、中国の民族楽器には二胡があるように、両者の奥深さは匹敵するものです。

 12月15日(日)、長女が通う甘建民二胡学院の発表会がありました。長女は、この夏休みから練習してきた「戰馬奔騰」という曲を演奏しました。当日の様子は、以下のリンクからご覧いただけます。

 映像リンク:https://youtu.be/feeryaa5NQM

 「戰馬奔騰」は、中国の伝統楽器二胡の名曲で、戦場を駆け巡る馬の雄々しさと躍動感を描写しています。この曲は二胡演奏家の陳耀星によって作曲され、独特の旋律と技巧的な構成が特徴です。速いテンポと力強い弓さばきが曲全体を通して印象的で、まるで疾走する馬の蹄の音や、戦場の緊迫感が目の前に浮かび上がるかのようです。

 長女が舞台でこの曲を弾く姿を見たとき、私の頭には父が二胡を演奏していた数々の場面がよみがえりました。特に印象に残っているのは、ある夕方、父が友人とその庭で二胡を弾いていた光景です。その庭には花や野菜が育ち、トンボが飛び交い、時折葉の上に止まる姿も見られました。猫がトンボを捕まえようと身を低くし、そっと近づく様子もありました。何も考えずに過ごせるあのひととき――夕日の中で二胡を弾く二人の姿、捕まえたトンボを前足でいじった後に手を舐める猫、そのすべてが時間の流れを穏やかに感じさせてくれるものでした。

 私も幼い頃、父に二胡を教えてもらいたいと思っていた時期がありました。しかし、父は何事にも厳しかったため、いつしか興味を失い、代わりに自分の好きなギターを独学で学びました。今では、仕事終わりのリラックスタイムにギターを弾くのが楽しみになっています。

 時々、父から二胡を学んでおけばよかったと思うことがあります。いま家族の中で二胡を演奏できるのは長女だけです。発表会で長女が奏でる音色を聞きながら、かつて父が弾いていた二胡の音や家族の情景が次々と胸に浮かび、懐かしさが込み上げてきました。

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