先日、娘の中学校の合唱祭に行ってきました。数週間前から、娘に「今回、司会をやるから絶対来てね」と言われ、「何があっても絶対に行く」と約束していました。
数年前に映画『くちびるに歌を』を観たことがあります。新垣結衣さんが演じた音楽教員が生徒に向けて「笑って」と声をかけるシーン、そして生徒たちがアンジェラ・アキの名曲『手紙 〜拝啓 十五の君へ〜』を歌う場面などが、今でも心に残っています。今回の合唱祭も、特別な時間になるに違いないと楽しみにしていました。
当日、各クラスが唄った合唱はどれもこれも素晴らしく、時には鳥肌が立ち、時には涙ぐみ、時には手が痛くなるほどの拍手を送りました。短い時間の中で、さまざまな感情が込み上げてきました。その中でも特に心を打たれたのは、3年生の学年合唱でした。
「未来が待っている——それは別れが待っているという意味」
学年代表の生徒がそうスピーチをした後、3年生全員で『南風』を歌い始めました。その歌声を聴きながら、私の頭の中には、自分が学生時代にともに過ごした友人たちの顔が次々に浮かび、胸がいっぱいになりました。
合唱祭の最後に音楽の先生が講評し、こんな質問を投げかけました。
「実は、ゴリラも歌うんですよ。さて、どんな時に歌うと思いますか?」
突然の問いに、生徒たちは一瞬ざわめきました。そして、三年生の誰かが「嬉しい時!」と答えました。
「そうです!ゴリラは嬉しい時に、鼻声で歌を歌うんです。だから、ここにいるみんなも、嬉しい時にはぜひ歌ってください」
先生の言葉に、会場からは笑いと共感の空気が広がりました。
私から見ると、この合唱祭はただの合唱祭ではありません。中学校生活最後の行事を惜しみ、未来には別れが待っていることを意識し始めた3年生、クラスの団結力を意識している2年生、そして緊張しながらなんとか頑張ろうとしている可愛い1年生。この合唱祭を通じてそれぞれの生徒が、何かを感じ、何かを受け取ったはずです。
私も歌うのが好きです。仕事が終わり、ギターを弾きながら好きな歌を歌い、その時間を過ごすことが、最高のリフレッシュになっています。今回コラムのタイトルはこの合唱祭のテーマである『響奏〜music never ends〜』をそのまま使いました。
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