先週、ある女性のお客様が清緑園に来店されました。中国出身で、友人から贈られた清緑園の水餃子をとても気に入り、わざわざ実店舗まで足を運んでくださったのです。食事を済ませ店内が落ち着いた時、私たちは言葉を交わしました。
女性が日本に来たきっかけは、自分と同じように大学留学だったことから、学生時代の体験や卒業後の就職、そして仕事のことなどに広がり、いつしか古くからの友人のような気になり話が弾みました。
話しているうち共通点にぶつかり、二人ともあっと驚きました。彼女はユニ・チャームの商品を中国に輸入するビジネスをしており、私はと言えば清緑園を経営する前は、大学院卒業後に就職したユニ・チャームの社員だったからです。
ユニ・チャームの新商品開発は、様々な新規アイデアと技術に囲まれており、技術開発は特許となり、デザインやネーミングは意匠・商標として出願して審査を受けて登録し、競争力を保持します。開発する最初の糸口はお客さんの希望からであり、よりいいものを製品化するためにメーカーとお客さんは表裏一体の関係で新製品の実現に結びついているのです。彼女が経営している商社は、その最前線で活動しています。
来店した女性は、ユニ・チャームの幼児用おむつ「ムーニー」を最初に中国に輸入した商社を経営していたのです。彼女はユニ・チャームの本社会議室で、中国の代理商に幼児用おむつの吸収実験を説明した様子の写真を見せてくれました。そのときまさに私は、同じビルで別の仕事をしていたのです。
私たちの話は次第に、ユニ・チャーム全体の製品に広がりました。私が営業担当だった時代、人工経血のナプキンを付けた経験や、大人用薄型おむつを実際に履いた体験からそれを使用する際のアドバイスやオムツ選びのコツなどを語り合いました。彼女は、中国で「ムーニー」を展開する過程を熱く語り、日中間の貿易業に取り組んでいる熱意が、聞いている私にビンビンと伝わってきました。
二人の共通点は、お客さんの要望を吸い上げ、それを参考によりよい製品をメーカーが開発するという点で一致しました。そして仕事を通じて、すべてのユニ・チャーム製品が優れており、誇りに思っているという点でも一致しました。
私は家庭の事情からユニ・チャーム社員から清緑園経営者に転身しましたが、いまでもユニ・チャーム製品に絶大の信頼と愛着を持っています。冷凍水餃子の通販が結びつけた奇跡的な「邂逅(かいこう)」であり、不思議な縁を感じたことに興奮した日でもありました。
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