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人生の消費期限

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   中国が2025年から段階的に退職年齢を引き上げるというニュースが話題になっています。15年後までに男性の退職年齢が現行の60歳から63歳へ、女性は50歳から55歳へ、さらに女性幹部は55歳から58歳に引き上げられるとのことです。中国では、1950年代初頭に定めた退職制度を今回初めて見直すことになります。

   日本の実質的な退職年齢は65歳ですが、将来的には70歳まで働ける社会を目指しています。これから20年後には、中国でも同様に70歳まで働く社会が現実になるかもしれません。しかし働く年齢に対する意識や中高齢者の雇用環境は、日本と中国で大きく異なっていると私は感じます。

   日本では、働きたい意志があれば、シルバー世代でも働ける場所があります。学生時代のアルバイト先の上司は、80歳を超えても週に3~4回マンションの掃除の仕事を続けており、「老化防止のために働いている」と話してくれました。日本ではしばしば、高齢者が体力や健康の維持のために積極的に働き続ける姿が見られます。

   一方で中国では、退職年齢後に働きたいという人は少数派であり、働きたい中高齢者を受け入れる企業や職場も少ないのが現状です。人生の中で働ける時間を「人生の消費期限」と例えてみます。その期限が長いほうがいいのか、短いほうが良いのかは人それぞれでしょう。

    東京理科大専門職大学院時代の恩師である馬場錬成先生と、「理想的な死に方」を話題にしたことがありました。先生は、「仕事をしている途中でそのまま倒れて死ぬのが一番」とおっしゃいました。私もこの考えに深く共感しています。働けるならずっと働いていたい。働いているうちに終末を迎えるほうが、病院や介護施設で多くの医療機器に囲まれ、誰かに世話されて最期を迎えるよりも自分らしいと思います。

   ただ働き続けるだけでなく、自分らしく生きるための生きがいをどうするかが求められる時代になりました。働いているうちに終末を迎える理想を実現するためには今を充実させ、いつか訪れるその瞬間に悔いが残らないようにすることです。

   人生の消費期限を完全燃焼したいという目標は、生きている限り延々と続く自身の生きがいでもあると考えています。

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