餃子の餡を作る際に欠かせない工程が、挽肉を混ぜることです。
まずは、なぜ混ぜる必要があるのかを解説しましょう。挽肉を混ぜると、肉のたんぱく質である筋原線維たんぱく質が絡み合い、餡を一塊にしてくれます。筋原線維たんぱく質は、主に「ミオシン」と「アクチン」から構成されており、これらが絡み合って筋肉を形成しています。しかし、挽肉を単に混ぜるだけでは、特有の粘りは生まれません。そこで重要なのが塩の添加です。
今回は、美味しい餡を作るためのポイントを2つ紹介します。
ポイント1は、挽肉を混ぜる際に塩を加えることです。アクチンとミオシンは塩に溶けやすい特性を持ち、挽肉に含まれる水分にたんぱく質が溶け出し、食塩水が形成され、絡み合う構造が生まれます。塩を加えることの重要性を理解すれば、塩を入れ忘れることがなくなるでしょう。
ポイント2は、冷たい状態で手早く捏ねることです。挽肉の油が体温よりも高くなると溶け出し、粘りが出にくくなります。巣鴨餃子では、毎日冷蔵庫から取り出したばかりの冷たい挽肉で、愛情を込めて手早く餡を捏ねています。店主の姿を想像していただけると幸いです。
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