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父の日に思うこと

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   先日、取引先を訪問した際、廊下の壁に貼られていたポスターに目が引かれました。それは小学校4年生が書いた文章で、亡きお父さんへの思いが綴られていました。わずか数行の内容ですが、とても感動的でした。「父の日は、お父さんを忘れないように、思い出して泣きたい」という一文に心を打たれました。

   私のお父さんが亡くなったのは2022年6月15日です。それから四日後の6月19日には、初めて父のいない父の日が訪れました。

   その日のことをたまに思い出します。早朝、目が覚めるとすぐにスマホを見ました。母からのメッセージには「你爸走了!(あなたのお父さんは亡くなった)」の四文字だけが記されていました。すぐに母にビデオ通話をかけると、コロナ禍の中で父を3ヶ月間看病して疲れ果てた、お母さんの姿が映りました。私もお母さんも意外と冷静でした。私は父の最後の様子を聞き、母はその後のことを説明してくれました。

   その冷静さはその日一日中続き、私は涙を流すことはありませんでした。親戚や親しい友人、お父さんの友達から電話がかかってきて、私を慰めるどころか、受話器の向こうから泣き声が聞こえてきました。それでも私は泣かなかったのです。その日の仕事を淡々とこなし、帰国の準備をしていました。

   その時の感情はいまだに理解できません。人間は悲しすぎると無感情になってしまうのでしょうか。この状態が二日間続きました。そして、父の告別式の前夜、私は自分の声だけでも届けようと思い、以前父の日にプレゼントした歌を、ギターを弾きながら歌い、録音を試みました。しかし唄っているうちに万感胸に迫り、何度も曲の途中で涙が溢れ、最後まで歌うことができませんでした。

   冒頭で紹介した小学生の文章を読んで、父の日の亡き父へのプレゼントは、涙であるkとを知りました。

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