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深夜食堂…的な話 その1

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私は接客が大好きです。
なぜなら、さまざまな人間ドラマを聴く機会に恵まれるからです。

みなさまは『深夜食堂」というテレビドラマをご覧になられたことはありますか?
新宿の路地裏にある、深夜にのみ営業する小さな食堂を舞台に、店主(マスター)と個性的なお客様が繰り広げる人間模様を描く人気ドラマです。ウチの実店舗は深夜営業ではありませんが、『深夜食堂』で取り上げられるようなエピソードがたくさんあります。

ある日、お得意様のおばあちゃんから、お持ち帰り用の麻婆豆腐のオーダーを頂きました。注文数を見ると「二人前」でした。

おばあちゃんの表情を見ると、なんだかとても嬉しそうだったので「何かいいことでもあったの?」と聞くと、今日は長男と長男のお嫁様がいらっしゃるとのことでした。

長男のお嫁様は清緑園の麻婆豆腐をとても気に入っているので、三人では一人前では足らず、二人前分をご注文頂いたとのこと。大変ありがたいです。

会計を済ませた後、おばあちゃんは私に話しかけてくれました。

ちょうど昼休憩の直前でお客様もそれほどいなかったため、おばあちゃんのお話にお付き合いさせて頂くことにしました。

その日、おばあちゃんを訪ねてきたのは52歳のご長男様のようでした。長男はとても素敵な女性と結婚されたとのことです。このおばあちゃんは81歳で、二人の息子様がいらっしゃるようです。娘様が欲しかったとのことで、おばあちゃんはお嫁様を実の娘のように接していて、お嫁様もおばあちゃんを実の母親のように慕っています。以前、おばあちゃんがちょっとした病気で大塚の病院に運ばれた際には、その話を聞きつけたお嫁様がすぐに職場から自転車で病院まで駆けつけられたようです。その時、お嫁様はロングスカートを履いていたようで、おばあちゃんは「あなた、転んだらどうするんだよ」と心配で仕方がなかった、、、みたいなエピソードがたくさんあるとのことです。

ちなみに、おばあちゃんのご次男様は今博多にいらっしゃるようです。インターネットで知り合った女性と縁があり、婿入りされたとのことです。その前にも、インターネットで知り合った女性と交際したことがあり、その女性と一緒に北海道に住んでいました。幸せな日々を過ごしていたようですが、ほどなくして、看護婦だったその女性は白血病になってしまったようです。余命が短いことを悟った女性から東京に帰るよう促されたようですが、次男は「お前の面倒を見るから、東京に帰らないよ」と断ったようです。そんなこんなでイタチごっこを続けていたようですが、数日後、思い詰めてしまった女性は団地の建物から飛び降りてしまったとのこと。その事実だけでも大変悲しいことなのですが、ご次男様はたまたまお家に着いたばかりでその状況を目撃してしまいました。ご次男様はおばあちゃんに電話をして大泣きしていました。おばあちゃんは「あなた、もう40歳なんだから、しっかりしなさい」と慰めることしかできませんでした。 ・・・・・・

おばあちゃんは淡々と他人事のように話していましたが、時には涙を汲む場面もありました。二人の息子様への愛情、そして長男の嫁に対する愛情、言葉や表情ににじみ出ています。やはり子供は何歳になっても、お母さんが生きている限り、子供は子供だと思った瞬間です。

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