今週、偶然に出会った二つの場面が私に強い印象を残しました。それは、仕事やサービスを提供する際の心構えに対する深い気づきでした。
まず一つ目の場面は、都営三田線の神保町駅でのことです。改札口に入ったところ、一人の年配の清掃員が緊急誘導ライトの近くで作業をしていました。興味を引かれて近づいてみると、その清掃員は歯ブラシを使って、ライトの穴や凹部の汚れを丁寧に擦り取っていたのです。その箇所は恐らく、誰も気がつかないか、気にしないような細かい部分です。しかし、その清掃員はそのような細部にも心を込めて手入れをしていました。
もう一つの場面は、ホテル東急ステイ銀座の一階ロビーでのことです。早朝、待ち合わせをしていた時、目の前にいた女性清掃員が突然土下座をしました。何が起きたのかと一瞬驚きましたが、彼女は雑巾を使って、地面と家具の角の隅々を丁寧に拭き始めました。この光景を見ているのは私だけで、他の誰もその場にいませんでした。
これらの場面は、私にとって大きな気づきとなりました。仕事やサービスを提供する際には、必ずしもお客様が見ているわけではなく、全ての作業がマニュアル化されるわけでもありません。それでも細部に宿る価値を見逃さないことが大事です。
お客様が見えなくても、細部にまで注意を払い、真心を込めて取り組むことが、最高のサービスを提供するための基盤となります。商品の差別化がますます難しくなる中で、細部に宿る価値を見逃さず、全体の質を高めることが重要だと感じました。
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