今日は、私の活動の一つである 「日本全国学校給食甲子園」 をご紹介します。ちょうどこのコラムが配信されている頃、大会の様子が YouTube でライブ配信されています。ぜひご興味のある方はご覧ください!
ライブ配信はこちらからご視聴いただけます:
https://kyusyoku-kosien.net/
今回のコラムでは、学校給食甲子園のこれまでの歩みと未来についてお伝えしたいと思います。内容は日本全国学校給食甲子園事務局より寄稿していただきました。ぜひ最後までお読みいただければ幸いです。
学校給食甲子園は、2005年に制定された食育基本法、そして同時にスタートした栄養教諭制度を受け、翌年の2006年から始まりました。来年、2025年は、丁度、20年という節目になります。
この大会は、当時、文部科学省の学校給食衛生管理関係の審議会の委員をしていた馬場錬成先生(当時・東京理科大知財専門職大学院教授、現21世紀構想研究会理事長)が創設したものです。
学校給食は年々、進化して美味しくなり、栄養管理も完璧であり、栄養士と教員の両方の資格を持っている栄養教諭が献立を作っていますが、その実態は広く一般の皆さんには知られていませんでした。そこへ、食育基本法で新しい食育という教科が導入されましたが、この食育とは何を言うのか、一般の方には理解されていませんでした。そこで馬場先生は、学校給食と栄養の内容、食材の生産、食の文化まで総合的に競い合う学校給食のコンテストを創設しようと考えました。日本一美味しい学校給食はどこか。これは、全国の児童・生徒が注目しないわけがありません。
さらに、食育授業の内容まで踏み込むコンテストにするため、のちに食育授業コンテストも創設されました。また献立作成と食育授業をする栄養教諭だけにスポットライトを当てるのではなく、縁の下の力持ちとして調理をしている調理員も顕彰しようと、調理員特別賞も創設しました。この賞は、中野麗子賞と副題がついていますが、これは調理員や学校栄養士の育成と派遣業をおこし、日本で初めて給食事業を始め、92歳を迎えた今なお、人材育成に情熱を燃やし続けている中野麗子さんを讃えて副題に付けたものです。
学校給食の衛生管理では、家庭の食事や外食では、とかく食べ過ぎになるカロリー、タンパク質、脂肪、塩分を抑え、逆に不足しがちの、ビタミン、ミネラル、食物繊維を補充してやる献立を作っています。これは、国が定める学校給食摂取規準という法令にしたがって献立を作成しています。外国の教育関係者が例外なくびっくりすることは、このことです。このように育ち盛りの子どもたちの昼食に、栄養管理をして調理した食事を提供しているのは、人口1億人以上の国では日本だけです。
戦後、食糧事情が悪く、食べることにこと欠いていた時代、育ち盛りの子どもたちの健康と成長を願って学校給食は始まりました。高度経済成長時代を経て、食生活は年々改善され、やがて飽食の時代といわれるようになりました。
1996年に大阪市堺市でO157食中毒事件が発生し、1000人以上がり患し3人の児童がなくなる不幸な事故がありました。これを契機に文科省は、徹底した学校給食調理場の衛生管理に乗り出し、現在では学校給食の食中毒事件は非常に稀なケースとして抑え込んでいます。
また、年とともに問題になってきたアレルギー対応でも、アレルギー児・者の個人別に対応して、アレルギー事故を防止する対応策も完璧に行っています。いまは、美味しさを求める学校給食となり、食べ残しを出さない食品ロスの問題、地球環境問題まで視野を広げたSDGsまで考える食育授業が行われるようになりました。
このような食をテーマにした教育施策は、世界ではほとんど例がない事例であり、日本のソフトパワーとして世界に冠たるものです。未来の子どもたちの健康と成長、そして長寿国家の原点とされる学校給食のさらなる充実を願って学校給食甲子園も成長を続けたいと思います。
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