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見せたくない成績表

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   学生時代、私が一番嫌だったのは成績表を両親に見せることでした。成績が極端に悪いわけではありませんでしたが、時折失敗することもあり、その結果を両親に見せるのがとても恥ずかしかったのです。しかし、私の両親はどんな成績表を見せられても、褒めるときは褒めましたが、厳しく叱ることはあまりありませんでした。

   しかし、先日、私の「成績表」を母に見せる羽目になり、久しぶりに厳しく叱られました。その「成績表」とは、健康診断結果報告書のことです。

   先週、母が短期滞在で日本に来ました。到着翌日、母は私の娘にこっそり健康診断結果報告書の保管場所を教えてもらい、その内容を確認しました。この報告書は非常にわかりやすく、判定項目は漢字で書かれ、評価もアルファベットで示されているため、日本語がわからない母でも結果を理解することができました。

   報告書を見た母は、すぐに私の事務所にやって来て、仕事中にもかかわらず、これまで画面越しにしか聞いたことのない厳しい言葉を私に投げかけました。「体を大事にしなさい」「不規則な生活を改めなさい」などと、母の声には心配と怒りが入り混じっていました。私は何も言い返せず、笑顔でただ母の言葉に耳を傾けるばかりでした。

    叱られても笑顔になっているのは、私は、自分が幸せだと思ったからです。こんな歳になって母に叱られて幸せだと感じ、どんな歳になっても母に叱られたいものです。学生時代の成績表をあまり気にしていなかった母が、大人になってから別の成績表である健康診断報告書を気にするようになったのは、やはり健康が何よりも大事だということを教えてくれるためでした。

   大人になっても、親の愛情は変わらず、むしろ深まっていることを感じました。そして、そんな親の愛情に感謝し、自分自身の健康を守ることが親孝行の一つであり家族のためでもあると強く思いました。

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