我が国における65歳以上の高齢者数は3625万人、総人口に占める割合は29.3%となり、過去最高の更新が続いています。
超高齢化社会の定義は総人口に対しての65歳以上である高齢者数が21%とされています。すでに2024年現在、超高齢者社会の定義を8.3%上回っている状況です。
これまで多くの日本人は、貝原益軒の「養生訓」の影響も有り「腹八分食」が健康長寿にいいと信じている方が多くいらっしゃるようです。しかし貝原益軒が「養生訓」が書かれたのは1712年、今から312年前の話です。
当時の平均寿命は推定32歳~44歳。これは乳幼児の死亡率が高かったこともありますが乳幼児の死亡率を換算しなければ50歳~52歳ではなかったかと推定されています。
現在の平均寿命は男性81.09歳、女性87.14歳となっており江戸時代の「養生訓」をそのまま当てはめるにはどうやら無理がありそうです。
「腹八分食」は、栄養学的にいえば「エネルギー制限食」となる一面があります。
中高年におこるメタボリックシンドロームであれば「腹八分食」は有効に働きますがこのエネルギー制限食は、成長期にある子どもやフレイルの危険性がある高齢者にとって有効に働くとはいえません。
高齢者となった65歳を過ぎて今が人生で最も体重がある方は別として「腹八分食」を継続しているとエネルギー制限をしていることになり骨密度、筋肉量ともに低下することから要介護リスクが高まる危険性があります。
貝原益軒が312年前に書いたとき多くの人が100歳を迎える超高齢社会を想定していたでしょうか。
ある年齢に達したら腹八分目に食べるメタボ対策から脱却し「しっかり食べる」ことへギアチェンジしていくことをお勧めします。