「気温が高くなると食中毒が増える」とよく言われます。しかし、月ごとの食中毒件数を見てみると、最も食中毒が多いのは6月であり、7月や8月になるとその件数は減少します。なぜ気温が高くなるのに食中毒件数は減少しているのでしょうか。
これは6月の気温を軽視していることに原因の一つがあるようです。梅雨が明けると、いよいよ高温多湿な夏が訪れます。真夏になると「食品の保存に気を付けよう」「出来上がった料理を長く室温に置かない」「食べ物が傷む前に早く食べてしまおう」といった意識が働くことで、条件的には食中毒が起こりやすい時期にも関わらず、注意を払うことで食中毒が抑えられているのです。
食中毒予防の三原則は、細菌やウイルスなどを「つけない」「増やさない」「やっつける」です。そもそも食品に食中毒の細菌やウイルスがつかなければ良いのですが、残念ながら製造や調理保存時に全くつかないということはありえません。十分な手洗い、調理器具を清潔に保つ、低温で保存する、早めに食べる、食材を加熱する際は中心部まで加熱するなど、食中毒を防ぐポイントを押さえることで、6月の食中毒はかなりの割合で防ぐことができるのです。