栄養課題はライフステージごとに変化していきます。
例えば、40歳から64歳という中年期での発症が多い生活習慣病は「エネルギーや塩分の摂りすぎ」が問題です。
次に65歳~74歳は「食べすぎ」と「低栄養」という相反する栄養課題が共存するグレーゾーン。
そして75才以上の高齢期に見られるフレイル(加齢に伴う心身の機能低下のために要介護になる危険性が高い状態)は、低栄養が原因の一つとなります。
40歳から100歳までの間に「食べ過ぎ」から「低栄養」という全く逆ともいえる栄養課題に移行しながら人生を送っていくのです。
栄養課題が変化する最大の理由は「筋肉量が減少し脂肪の割合が増加する」という方向に体組成が変化するためです。中年期は、メタボに注意しながらバランスのいい食事をこころがけることが大切です。
目安として60歳以上になり若い頃より食欲が落ちたと感じた時に「歳をとった」で片づけるのではなく、フレイル対策を始めるきっかけにするのです。自身がフレイル対策の必要性を感じたら先ず食品を多様に摂取すること、三食とも栄養バランスを考えた食事を摂るようおすすめします。要するに必要なエネルギー、たんぱく質、ミネラルをまんべんなく摂るようにしましょう。昨今多様性という言葉を耳にします。毎食食べる食品においても多様性を重視しながら健康の維持増進を図りましょう。