9月30日から放送が始まるNHKの連続テレビ小説「おむすび」。
ヒロインは栄養士として奮闘する橋本環奈さんで、舞台は奇しくも私の生まれ故郷である福岡。栄養士法が昭和22年に施行されてから76年、ついに栄養士が朝ドラのヒロインになるという快挙に、私は大きな期待を寄せています。
自分の40年にわたる栄養士生活を振り返ってみると、まさに「人生のぶつかり稽古」だったと思います。発注ミス、連絡ミス、献立に込めた想いが食べる方に伝わらず、辛い思いをしたことも数えきれません。しかし、その度に「おいしかったよ」「生活習慣を見直すきっかけになったよ」という言葉をいただきながら、成長し続けてきました。ご迷惑をおかけした方々には申し訳ない気持ちもありますが、失敗や失言が私を育て、今の私を作り上げたのだと思います。何度もこの仕事に向いていないのではないかと悩みましたが、「食を通じて出会った方々のお役に立ちたい」という信念に支えられ、ここまでやってきました。
昭和、平成、令和と、栄養士として駆け抜けてきた現在、地震、台風、気候変動、戦争、物価の高騰、令和の米騒動など、不安を感じる要素が多くあります。しかし私は、「食には未来を変える力がある」と信じています。
食生活を充実させることは、最も確かな投資であり、これからもバランスのとれた食生活を推奨し続けていきます。
追伸:皆様とNHKの連続テレビ小説「おむすび」の感想を語り合える日を楽しみにしています。