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母の愛情表現

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   5月14日は母の日なので、本来であればこのコラムは母の日当日に掲載すべきかと思ったのですが、その日にコロナ以降初の海外出張があり、落ち着いて文章を書けるタイミングが今しかないため、フライング投稿となりました(笑)。

2023年2月15日母が帰国前日

 さて、まず皆さまにひとつ質問です。これまでの人生において、皆さまのお母さんに直接「愛している」と言ったことはありますか?もし言ったことがあるのなら、どのような感じで言ったのでしょうか?

 私はこれまでに多分2回ほど手紙やビデオレターでお母さんに「愛している」と間接的に伝えたことがあります。しかし、直接お母さんの顔を見て「お母さん、愛しているよ」と言ったことはありません。多分、直接お母さんの顔を見て「愛している」と言おうとすると、言う前に泣いてしまって言葉が出てこないかもしれません…!

 私もお母さんから「愛している」と直接言われた記憶はありません。でも、「愛している」という直接的な愛情表現以外の、お母さんから私への愛情表現ならとてもたくさんあります。そしてこれらの愛情表現は、その言葉の最後に必ず「だめ」の2文字が付きます。例えば、「コーラを飲んじゃだめ」「甘いものを食べじゃだめ」「夜更かしはだめ」「運動しないとだめ」「水を飲まないとだめ」「朝食を取らないとだめ」「健康診断に行かないとだめ」などなど…。こうして母の言葉を思い出すと「私ってこんなにだめな習慣があったっけ?」と自問してしまいますが、よくよく振り返ったら確かにお母さんの言う通りでした(笑)。今さら改善できる自信はないので、とりあえず反省だけはしておきます。

 若い頃に毎日お母さんにこんな感じで言われたら、言葉には出さないものの、心の中で「うるさ~い!」と叫んでいそうなものですが、歳を重ねるにつれ、お母さんの「だめ」付き愛情表現はとても貴重になります。あと20年でも、30年でも、50年でも、お母さんからの「だめ」付き愛情表現を聞くことができたらうれしいです。

 母の日は決して特別な日でありません。もちろん、母の日のギフトに巣鴨餃子を送るのはとても良いことだと思います(笑)。しかし、別にわざわざ巣鴨餃子を送らなくても、ちょっとした時間を使ってお母さんと雑談し、お互い元気な姿を見せ合えることができたら、それは何より大切なことだと思います。不思議なことに、最近お母さんとビデオチャットで話したら、「だめ」付き愛情表現が全く出てきませんでした。「たまにはコーラくらい飲んでもいいじゃない?」「頭が疲れたら甘いものを食べてね」「運動なんて週1回くらいで十分よ」といった感じで、別の愛情表現に変わってました。なぜだろう?(笑)

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