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笑顔という武器

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 ある日、娘が帰ってきて、少し不機嫌そうな顔をしていたので、「どうしたの?」と声をかけた。

 

「さっきコンビニで買い物をした時、店員さんの態度が悪かったの。笑顔もなかったし、お釣りを台の上に置いたままで、取るのに時間がかかったよ」と不満げに言った。


「そうか、良い買い物体験じゃなかったね。でも、もしかしたら店員さんにも何か事情があって、たまたまそういう態度になったのかもしれないよ」と娘を慰めた。

 

 とはいえ、内心では「サービス業である以上、たとえ何かあっても、お客様に接する時には笑顔を見せないとな」と思っていた。

 

 最近、よくyoutubeCOCO壱番屋の創業者・宗次徳二さんのインタビューや対談動画を見ている。朝早起きや掃除、寄付の話も印象的だが、特に感心したのは、喫茶店を起業した当初、立地条件を気にせず、接客やサービスによってお客様の心を掴み、売上を伸ばしてきたことだった。

 

 宗次さんの「きちんとお客さまの方を向いて、心のこもった接客をしていれば、必ずお客さまはお店のファンになってくれる。他店のサービスやヒット商品をまねすること、ましてや安さで勝負することは必要ない。」という言葉に、強く共感している。

 

 清緑園の経営を携わり始めた頃、私も「心のこもった接客とは何か?」と悩んでいた。店頭に立っていたある日、お客様にこう言われたことがある。

 

 「あなたがいると、なんだか店の雰囲気が違うね。緊張感がある。落ち着かない。」

 

 その言葉に、さすがに落ち込んだ。

 

 なぜそのような印象を与えてしまったのか、何日も考えていた結果、私は「笑顔は足りなかった」という結論にたどり着いた。

 

 以前、「巣鴨餃子坊」の運営をある夫婦に任せたことがあった。一番心配だったのは、二人とも日本語をほとんど話せないことだった。しかし、不思議なことに、店のオペレーションがそれなりにうまく回っていた。あるお客様にその理由を尋ねたところ、「奥さんは日本語を話せないけど、いつも最高な笑顔を見せてくれる。それがとても嬉しい」と話してくれた。その笑顔によって、多くのお客様がファンになってくれた。

 

 やはり、笑顔は接客の最強の武器だ。

 

 そのコンビニの店員さんも、いつか気づく日が来るかもしれない。そのとき、きっと接客は仕事ではなく、誰かと心を通わせる時間になるだろう。

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